民事執行法 強制執行 その2

民事執行法26条~ 強制執行

 

・執行文の付与(26条)

執行文がなければ、強制執行はできません。(25条)

執行文は申立てがなければ、付与してもらうことができません。執行証書以外の債務名義は、事件記録の存する裁判所書記官が付与します。執行証書は、その原本を保存している公証人が付与します。

 

・執行文の付与(27条)

条件成就執行文…請求が債権者の証明すべき事実の到来に係る場合、その事実の到来を証する文書を提出したとき(条件の成就を証明したとき)に付与される執行文。

承継執行文…債務名義に表示された者でない者を債権者又は債務者として執行を行う場合に付与される執行文。債務名義に表示された者以外の者を債権者又は債務者であることが明白な場合、又は債権者がそのことを証する文書を提出したときに付与されます。

 

・執行文の付与(27条)

債務名義が不動産の引渡しや明渡しの請求権を表示するものであった場合において、当該不動産に占有移転禁止の仮処分命令が出ているにもかかわらず、それを知って当該不動産を承継した者に対しては、承継執行文(単純執行文ではダメ)の付与を受けて、強制執行ができます。承継人が特定できない場合であったとしても、債務者(承継人)を特定せずに付与することができます。

強制競売のための保全処分を受けた不動産であることを知って当該不動産を承継した者に対しても上記と同様に執行文付与することができます。

 

・執行文の再度付与等(28条)

執行文は、債権の完全な弁済を得るために債務名義の正本が数通必要なとき、又はこれらが減失したときに限り、再度付与することができます。

上記規定は、少額訴訟の確定判決の正本、仮執行宣言付き少額訴訟の確定判決及び支払督促の正本が数通必要なとき、又はこれが減失したときに、準用されます。

 

・債務名義等の送達(29条)

強制執行を行うには、債務名義又は債務名義となる確定判決(合わせて債務名義等)の正本又は謄本を相手方に送達しなければなりません。送達前に強制執行をすることはできません。