会社法210条 募集株式の発行等をやめることの請求
・募集株式の発行差止請求
以下のいずれかにあたり、既存株主の利益を害する恐れがある場合には、既存株主は会社に対して募集株式の発行差止請求ができます。
①定款又は法令に違反する募集株式の発行を行う場合。
②募集株式の発行が著しく不公平な方法で行われる場合。
①は、定款の定めを無視して発行を行う、発行可能株式数を超えた発行を行う、法に定められた株主総会の決議を経ないで発行を行う等がこれに当たります。
②は、支配権の維持のみを目的に株式を発行した場合等が当たります。
なお、募集株式の発行差止請求ができるのは、払込期日又は払込期間の前までです。出資が履行されてしまうと、発行された株式に効力が生じてしまうため、発行差止請求をすることができなくなってしまいます。
すでに株式が発行されてしまった場合は、新株発行等無効又は不存在確認の訴えを裁判所に提起する必要があります。(828条・829条)