民事訴訟法 訴訟手続 その4

民事訴訟法105条~ 送達

 

・出会送達(105条)

送達を受けるべき者が日本国内に住所等を有するか明らかでない場合は、その者に出会った場所で行うことができます。たまたま会ったときに送達して良いということです。

また、住所が明らかな人や送達場所の届出を行った人とたまたま出会い、本人が拒まなければその場で送達を行っても構いません。

 

・補充送達及び差置送達(106条)

就業場所以外の送達をすべき場所において、本人に出会えない場合は、使用人その他の従業者又は同居人に対して送達を行うことができます。書類の受領に関して、相当のわきまえのある者という条件付きです。この条件については、未成年者であってもわきまえさえあれば、良いということになっています。郵便局に本人の関係者が来局し、手渡す場合も同様です。また、この場合、本人の関係者が送達を正当な理由なく拒んだ場合は、送達をすべき場所に置いて行っても良いです。送達されたことになります。

就業場所において送達する場合であって、本人に出会えないときは、その就業場所にいる関係者に送達を行うことができます。それらの人は受領を拒むことができ、拒んだ場合は、送達をした扱いにはなりません。

 

・書留郵便等に付する送達(107条)

補充送達及び差置送達の方法を持ってしても、送達を行えない場合は、郵便書留に付して送達をすることができます。この送達方法を取った場合は、郵便書留を発送したときに送達の効力が生じます。

書留郵便に付する送達の方法は、本人が居留守を使うなどして送達を受け取らない場合にも有効です。

一度書留郵便に付する送達を行った場合は、それ以降も通常の住所に送ったとしても受け取らない可能性が高いため、ずっと郵便書留に付する方法で送達を行っても良いです。

 

・公示送達の要件(110条)

あらゆる送達の方法を持ってしても送達ができない場合(住所や居所がわからない場合)、当事者からの申し立てによって、裁判所書記官は公示送達の方法によって送達を行うことができます。裁判所は、裁判の遅滞を避ける必要があると認める場合は、申し立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達を行うよう指示することができます。

一度、公示送達で送達を行った者に対してする2度目以降の公示送達は、職権にて行うことができます。

 

・公示送達の方法(111条)

公示送達は、裁判所の掲示板に「いつでも送達書類を取りに来てください。」と掲示する方法によって行います。

 

・公示送達の効力発生の時期(112条)

公示送達の効力発生日は、掲示を始めた日の2週間後です。ただし、一度公示送達を行った者に対してする2度目以降の公示送達は、掲示を始めた日の翌日です。

 

・公示送達による意思表示の到達(113条)

公示送達の内容に訴訟の目的である請求又は防御の方法に関する意思表示が含まれる場合、その意思表示は掲示を始めた日から2週間後に相手方に到達したものとみなされます。