2021-01-01から1年間の記事一覧

会社法 剰余金の配当 その4

会社法463条~ 剰余金の配当等に関する責任 ・株主に対する求償権の制限等(463条) 通常、分配可能額を超えて剰余金の配当を受けた株主に対し、業務執行者等は会社に対してその利益を返還するよう請求できます。(=求償権) ただし、分配可能額を超えた配…

会社法 剰余金の配当 その3

会社法461条~ 剰余金の配当等 ・配当等の制限(461条) 会社の資産を配当等によって株主に対して払い出すと、会社の財産が目減りしてしまい、会社の債権者が債権を回収する機会を失いかねません。そのため、会社財産の払い出しの効力発生日における分配可能…

会社法 剰余金の配当 その2

会社法459条~ 剰余金の配当 ・剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め(459条) 本来、剰余金の配当の決定権限は株主総会ですが、株主が多数いる場合等、すべてを株主総会で決定するには、手続きが煩雑となることがあります。 そのため、以下の…

会社法 剰余金の配当 その1

会社法453条~ 剰余金の配当 ・株主に対する剰余金の配当(453条) 株式会社は、株主に対して剰余金の配当をすることができます。ただし、自己株式に対しては剰余金の配当をすることができません。自己株式以外は配当を受けることができるため、会社がその子…

会社法 資本金の額等 その4

会社法450条~ 資本金等の額の増加 ・資本金、準備金の額の増加(450条・451条) 会社は剰余金を減少して、資本金又は準備金の額を増加することができます。ただし、剰余金の額をマイナスにすることはできません。 資本金、準備金の額の増加にあたっては、株…

会社法 資本金の額等 その3

会社法449条 資本金、準備金減少に係る債権者の異議 ・債権者異議の必要性 会社が確保しなければならない財産(=資本金)が減少することで、剰余金が生まれ、株主へ分配(=資本金の社外流出)することが可能となります。しかし、債権者にとっては会社の財…

会社法 資本金の額等 その2

会社法447条~ 資本金額の減少等 ・資本金の額の減少(447条) 資本金の額の減少を行う場合、株主総会の特別決議が必要です。資本金をゼロとすることはできますが、マイナスとすることはできません。資本金は会社の財産であるため、自由に減少させることはで…

会社法 資本金の額等 その1

会社法445条 資本金等 ・資本金の額及び準備金の額(445条) 資本金の額は、法に別段の定めがある場合を除いて、会社の設立時又は株式の発行時に株主となる者が出資(払込み、給付)した金額です。 株主が出資したお金は原則すべて資本金として計上しなけれ…

会社法 計算書類 その5

会社法444条 計算書類 ・連結計算書類(444条) 子会社を有する会計監査人設置会社は、各事業年度に係る連結計算書類を作成することができます。 連結計算書類とは、対象会社とその子会社から成る企業集団の財産、損益を表す計算書類のことです。連結計算書…

会社法 計算書類 その4

会社法442条~ 計算書類 ・計算書類の備置き、閲覧(442条) 計算書類はそれぞれ決められた期間、会社の本店に保管する義務があります。 ①各事業年度に係る計算書類等…定時株主総会の日の1週間前の日(取締役会設置会社は2週間前)から5年間 ②臨時計算書類……

会社法 計算書類 その3

会社法441条~ 臨時計算書類等 ・臨時計算書類(441条) 会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日を臨時決算日と定めることができます。ざっくりいうと、会計年度の途中のある1日を臨時決算日と定められます。 臨時決算日を決めた場合、会計年…

会社法 計算等 その2

会社法435条~ 計算書類 ・計算書類等の作成、保存(435条) はじめに株式会社成立時に貸借対照表を作成します。 ※貸借対照表…企業のある一定時点における資産、負債、純資産の状態を表すもの。 事業年度ごとに計算書類、事業報告、これらの付属明細書を作成…

会社法 計算等 その1

会社法431条~ 会計帳簿等 ・会計の原則(431条) 株式会社の会計書類は一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従って作成されます。 ・会計帳簿と計算書類 会計帳簿は企業秘密をも含むことが多いため、原則開示を行う性質のものではありません。主に取…

会社法 役員等の損害賠償責任 その6

会社法430条の2~ 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 ・補償契約(430条の2) 通常、役員等が任務懈怠によって第三者に損失を与えた場合は、当該役員等は第三者に対して損害賠償責任を負うこととなります。しかし、懈怠責任を恐れるがあまり、会…

会社法 役員等の損害賠償責任 その5

会社法428条~ 役員等の損害賠償責任 ・取締役が自己のためにした取引に関する特則(428条) 取締役又は執行役が会社と直接取引を行い、会社に損害を与えた場合、それが自己のために行った取引であるときは損害が発生した事由が取締役又は執行役の責めに帰す…

会社法 役員等の損害賠償責任 その4

会社法427条 責任限定契約 ・責任限定契約(427条) 役員等が責任の免除を受けるには、総株主の同意が必要です。しかし、業務を執行しない非業務執行取締役等(非業務執行取締役、監査役、会計参与、会計監査人のことを指す)に関する損害賠償責任は、定款に…

会社法 役員等の損害賠償責任 その3

会社法426条 取締役等の責任の一部免除に関する定款の定め ・取締役等の責任の一部免除に関する定款の定め(426条) 取締役が2名以上の監査役設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社は、役員等の責任の一部免除に関し、定款に定めることがで…

会社法 役員等の損害賠償責任 その2

会社法425条 役員等の損害賠償責任 ・損害賠償責任の一部免除(425条) 役員等の損害賠償責任は、総株主の同意がなければ、免除できないとされています。 しかし、役員等がその職務を執り行うにあたり、善意無過失であった場合は、責任の一部免除が認められ…

会社法 役員等の損害賠償責任 その1

会社法423条~ 役員等の損害賠償責任 ・役員等の損害賠償責任(423条) 役員等(取締役、執行役、監査役、会計参与、会計監査人)がその任務を怠ったことにより会社に損害を与えた場合は、会社に対して損害賠償責任を負います。 ここでいう任務とは、善管注…

会社法 指名委員会等設置会社 その7

会社法418条~ 執行役の権限等 ・執行役の権限(418条) 指名委員会等設置会社では、執行役ではない取締役は業務執行を行うことができません。そのため、取締役会で決議(意思決定、方針決定)した業務を執行役が執行する形をとります。 ただし、取締役会か…

会社法 指名委員会等設置会社 その6

会社法417条 指名委員会等設置会社の取締役会の運営 ・取締役会の運営(417条) 指名委員会等設置会社は、取締役会の招集権者が決まっていますが、指名委員会等によって選定された委員は招集請求を行うことなく、取締役会を招集することができます。 執行役…

会社法 指名委員会等設置会社 その5

会社法410条~ 指名委員会等設置会社の運営 ・指名委員会等の招集(410条・411条) 指名委員会等の招集は、当該委員会の各委員が行います。 執行役は、指名委員会等の要求があった場合は、当該指名委員会等へ出席し、要求された事項に関して、説明をしなけれ…

会社法 指名委員会等設置会社 その4

会社法408条~ 指名委員会等設置会社 ・指名委員会等設置会社と執行役又は取締役の間の訴え(408条) 「会社が執行役又は取締役を訴える場合」もしくは「執行役又は取締役が会社を訴える場合」には、下記の通り会社の代表者を選定します。 ① 監査委員が訴訟…

会社法 指名委員会等設置会社 その3

会社法404条~ 指名委員会等の権限 ・指名委員会等の権限(404条) 指名委員会は、株主総会に提出する取締役の選任、解任に関する議案の内容を決定します。つまり、指名委員会等設置会社では、社長や会長、取締役会には取締役に関する人事権がなく、指名委員…

会社法 指名委員会等設置会社 その2

会社法402条~ 指名委員会等設置会社の執行役 ・執行役の選任等(402条) 指名委員会等設置会社は、執行役を置かなければなりません。指名委員会等設置会社においては、取締役は会社の経営方針の決定はできますが、実際に業務を執行することはできません。た…

会社法 指名委員会等設置会社 その1

会社法400条~ 指名委員会等設置会社 ・指名委員会等設置会社 指名委員会等設置会社は、必ず取締役会と会計監査人が設置されます。 取締役会の中に「指名委員会」「監査委員会」「報酬委員会」の3つの委員会が置かれます。この3つの委員会は必置となり、その…

会社法 監査等委員会設置会社

会社法399条の2~ 監査等委員会設置会社 ・監査等委員会設置会社(399条の2~) 監査等委員会は概ね監査役会と同様の権限を持ちます。法令関係もほぼ監査役会と同じ内容になっています。 監査等委員会設置会社には、必ず取締役会が設置され、取締役会の中に…

会社法 会計監査人

会社法396条~ 会計監査人 ・会計監査人の権限(396条) 会計監査人は対象会社の計算書類関係の監査を行い、会計監査報告を行います。会計監査人は会社の役員ではありません。「役員等」という表現がされた場合は、該当します。 監査役と同様で、会計監査人…

会社法 監査役会

会社法390条~ 監査役会 ・監査役会の権限(390条) 監査役会は3名以上の監査役で組織されます。監査役会の半数以上は社外監査役でなければなりません。(半数以上です!過半数ではありません!) 取締役会は3か月に1回以上の開催が義務付けられていますが、…

会社法 監査役 その2

会社法384条~ 監査役 ・監査役の報告義務(384条) 取締役が株主総会に提出しようとしている議案を調査しなければなりません。調査を行った結果、議案に不正行為、定款違反、法令違反と認められる内容が含まれていた場合、監査役はその内容を株主総会で報告…